高次脳機能障害についての慰謝料の相場
1 高次脳機能障害の慰謝料相場
交通事故の慰謝料については、主に入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、近親者慰謝料があります。
高次脳機能障害の場合、認定される後遺障害の等級によって、上記の複数の項目の慰謝料が認められる可能性があり、それぞれ額も大きく増減します。
認められる後遺障害の等級によって金額が文字通り桁違いの差となってしまうため、「高次脳機能障害の場合慰謝料は〇万円です」とひとくくりにして慰謝料相場を出すことは難しいです。
以下では、各項目の慰謝料相場について、それぞれ解説していきます。
なお、過失がある場合にはその割合に応じて賠償額は減額される可能性がありますが、こちらのページでは過失については考慮しないものとして説明いたしますのでご注意ください。
2 入通院慰謝料
相場としては、数十万円から数百万円程度と考えられます。
事故により入院や通院することを余儀なくされた、その間の負担や精神的苦痛を金銭に換算したものを入通院慰謝料といいます。
裁判実務においては、おおむね「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(実務上「赤本」等と呼ばれる書籍)の算定基準を目安に金額を算出することが多いです。
もっとも、算定基準はあくまで目安となるため、最終的な金額は目安からある程度増減します。
算定基準では、治療期間が長い方が慰謝料額も高くなるものとされ、特に、入院期間が長い場合には慰謝料も高額になる傾向があります。
例えば3か月間通院のみだった場合は73万円ですが、3か月ずっと入院していた場合、慰謝料は145万円とされています。
退院後さらに長期のリハビリを要するような場合には、見込まれる慰謝料額も増額していきます。
相対的に軽傷でほとんど入院がないような場合ですと数十万円程度、長期の入通院を要する場合には入通院慰謝料のみで数百万円となるようなケースもあります。
2 後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料はもっとも金額変動の大きい慰謝料項目といえます。
後遺障害慰謝料の目安は、賠償実務上1級、2級の後遺障害慰謝料で2000万円以上、7級以上で1000万円以上とされており、14級の場合でも100万円以上とされています(目安であるため、実務上は基準以上となる場合も基準を下回る場合もあります)。
高次脳機能障害の治療後、一定の症状が残存した場合には、通常、損害保険料率算出機構に後遺障害の認定を申請します。
今後後遺症を抱えて生きていかなければならないという、入通院にかかわる精神的苦痛とはまた別の精神的苦痛としてその賠償が認められています。
高次脳機能障害の場合に認定される可能性のある等級はかなり幅広く、高次脳機能障害単体で1、2、3、5、7、9、12、14級にそれぞれ認定される可能性があります(ごく軽傷で後遺障害と認定されない場合もあります)。
さらに、高次脳機能障害のような脳損傷を伴う事故の場合、腕や脚等、別の部位にも骨折等の大きなけがを負う場合も少なくありません。
別部位についても後遺障害が認められる場合、高次脳機能障害の等級と併合して上位の等級と認定されることがあります(例えば7級の高次脳機能障害と12級の腕の後遺障害が認定された場合、併合6級という認定になります)。
このため、最終的にはほぼすべての等級に認定される可能性があるといえ、その結果に応じて後遺障害慰謝料の金額も変わっていきます。
























